「日本は長期的な視野に立ったエネルギー外交を展開」

 一方、こうした日本の現状は「嘆かわしい」としながらも、今後の日本は新しい思考で長期的な視野に立ってエネルギー外交を展開していくと宣言した。

 2017年12月にパリで開催された「気候変動サミット」においても河野大臣は、「日本は先進的な技術力とイノベーションの力を活用して世界をリードする」と語り、クリーンエネルギー分野で日本の技術力を示す例を紹介した。

 太陽光発電の分野では日本は「パネル価格の下落ではなく、技術とイノベーションの力で太陽光発電を新しい次元に導きたい」と述べ、太陽電池セル(発電素子)単位での変換効率26.6%、パネル単位で同24.4%と世界最高性能を達成したのが日本企業であると指摘した(関連記事)。

 再エネの平準化や電気自動車など運輸・交通分野での低炭素化で重要となる蓄電池に関しても、日本の大学が新しい全固体電池の開発し、自動車メーカーと協力して実用化に向けた取り組みを続けていることなどに言及、技術とイノベーションの力を強調した。

 アミンIRENA事務局長と河野大臣の会談では、IRENAがこれまで気候変動問題への対応や再生可能エネルギーの推進に大きく貢献してきたことを高く評価し、日本として引き続きIRENAの活動を支援していくことを表明した。

 具体的には、日本とIRENA関係をさらに強化するため、日本からIRENAに「ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)」を派遣することでIRENAに協力するとした覚書に共同で署名するなど、今後の関係強化に向けた取り組みを明らかにした。

 アミンIRENA事務局長は、日本の支援に対して感謝を表明、パリ協定の実施に向けて各国が再エネ導入に向けて積極的に取り組んでいくなか、引き続き日本との協力関係を強化したいと述べた。

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