世界のクリーンエネルギー関連投資額の推移(単位:10億米ドル)
世界のクリーンエネルギー関連投資額の推移(単位:10億米ドル)
(出所:ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス)
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 米ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは1月14日、2015年のクリーンエネルギー市場調査結果を発表した。

 クリーンエネルギー関連への投資は、2014年に比べて約4%増となる3293億米ドルとなり、過去最高を記録した。中国、アフリカ、米国、ラテンアメリカ、インドで投資が急増し、増加を牽引した。

 同社によると、2015年の再エネへの投資環境には、四つのマイナス要因があったにも関わらず、増加した。マイナス要因の第1は、太陽光発電コストが低下を続け、同じ容量の設備を導入できる額が下がったこと。第2は、為替レートで米ドルが強く、米ドル以外での投資による米ドル換算額が相対的に低くなったこと。第3は、これまで投資が盛んだった欧州経済の減速。第4は、化石燃料価格の急落である。

 中でも、第4の石油・ガス価格の急落によって、再生可能エネルギーへの投資が失速する可能性があったという。太陽光と風力発電のコスト競争力の向上により、こうしたマイナス要因がある中でも、投資が失速しなかった、と分析している。

 電力インフラが不足している発展途上国において、太陽光と風力発電は電源構成上、重要な役割を担う技術として採用されている。従来の電源に比べて、稼働までの期間が短いことも寄与している。こうした国では、電力卸市場でも、低コストな電力として位置づけられているとしている。