重粒子線がん治療に関する国際シンポジウム「2nd International Symposium on Heavy-Ion Radiotherapy and Advanced Technology」(主催:放射線医学総合研究所)が2016年1月9日、東京・秋葉原で開催された。2011年に続く2度目の開催で、重粒子線治療に携わる医療従事者や研究者など約130人が国内外から集まった。

重粒子線治療の関係者が東京・秋葉原に結集
重粒子線治療の関係者が東京・秋葉原に結集
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 重粒子線によるがん治療は、シンポジウムを主催した放射線医学総合研究所(放医研)が1994年に世界に先駆けて開始。現在、世界で稼働中の治療施設10カ所のうち5カ所が日本に存在し、累計治療数の80%以上が日本の施設で実施されている。日本はまさに重粒子線治療のメッカだ。

 一方、重粒子線を含む粒子線治療については目下、先進医療の対象から外すことを含めた検討が厚生労働省で行われるなど、日本では“逆風下”にある。こうした中、今回は重粒子線治療の「技術的な側面にフォーカスし、現状をきちんと伝えることを趣旨とした」(放医研)。