「Alpine」で実現するホームネットワークのイメージ Annapurna Labs社の図。
「Alpine」で実現するホームネットワークのイメージ Annapurna Labs社の図。
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NETGEARのNAS「ReadyNAS 214」 同社の写真。
「Alpine」で実現するホームネットワークのイメージ Annapurna Labs社の図。
NETGEARのNAS「ReadyNAS 214」 同社の写真。
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 米/イスラエルAnnapurna Labs社は、ゲートウエーやWiFiルーター、NASといった、ホームネットワーク機器に向けたSoC「Alpine」の一般販売を始めた(ニュースリリース)。Annapurna Labsは2011年にイスラエルで創業した企業で、2015年に米Amazon.comが買収し子会社とした。

 Annapurna Labsはデータセンター機器向けにARMコアベースのSoCを開発提供してきた。公けになっている製品としては、例えば、台湾GIGABYTE Technology社の1Uストレージ「D120-S3G」には、1.7GHz動作の「ARM Cortex-A15」を4個集積したAnnapurna Labs「Alpine AL5140」が搭載されている。

 データセンター機器向けSoCで培った高性能や、アプリケーションの仮想化、信頼性に関する技術を投入したのが、一般販売を始めたと発表したホームネットワーク機器向けSoCだという。提供するSoCを使うことで、メディア管理や家庭内ストレージ、クラウドバックアップ、IoT管理、監視、4K/UHDストリーミングといった機能を容易に機器に持たせることが可能になるとする。また、Amazon.comのクラウドサービス「AWS:Amazon Web Services」との連携も容易に行えるという。

 一般販売されるSoCは、ARM v7またはARM v8アーキテクチャーのCPUコアを2個または4個集積する。最大10Gビット/秒のEthernetや、IEEE 802.11ac/11ad/11axに対応したWiFi、先端ストレージインターフェース、PCI Express Gen 3といった各種インターフェースを備える。DDR4 SDRAMや2MバイトのL2キャッシュ、ECC機能を備える製品も用意するようだ。

 OSはLinuxとFreeBSDをサポート。Data Plane Development Kit(DPDK)やOpenWRT、オープンソースのハイパーバイザーやコンテナーフレームワークに対応する。また、ハードウエア開発用のキットを用意するという。このキットには回路図やレイアウト情報、熱設計ガイドラインなどが含まれる。

 複数の先行ユーザーにAlpineは提供済みで、ニュースリリースには実例が紹介されている。例えば、米NETGEAR社のスモールビジネス/家庭用NAS「ReadyNAS 214」には、1.4GHz動作の「Cortex-A15」を4コア集積したAlpine SoCが搭載されている。また、台湾QNAP Systems社や台湾Synologyは2コアや4コアのAlpine SoCを搭載したNASを提供中である。