ドイツの研究機関であるFraunhofer ISEは1月4日、2018年における同国の総発電量のうち40%以上が再生可能エネルギー由来であったことを明らかにした(図1)。

図1●ドイツの2018年の電源別発電量。再エネの総発電量は初めて40%を超え、太陽光は45.75TWhで全発電量の8.4%を占めた
図1●ドイツの2018年の電源別発電量。再エネの総発電量は初めて40%を超え、太陽光は45.75TWhで全発電量の8.4%を占めた
(出所:独Fraunhofer ISE)
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 総発電量は542.47TWh、そのうち再エネは218.93TWh(40.4%、前年比4.3%増)、非再エネが323.54TWh(59.6%)である。年間で再エネの比率が40%を超えたのは、初めてという(関連記事)。

 再エネの内訳をみると、太陽光発電は前年比16%増の45.75TWh。太陽光の設備容量は2018年11月末までに3.2GW増加し、合計で45.5GWに達したという。

 太陽光による発電量は、2018年7月2日の午後1時15分に総発電量の39%となる約32GWでピークを記録した。同年の4月から8月までの期間には毎月、太陽光発電による発電量が無煙炭を燃料とする火力発電の発電量を上回っていたという。

 風力の2018年の発電量は111.35TWhを記録、再エネ最大の電源であると同時に全電源の中でも無煙炭に次いで2番目に大きな電源となった。同年のうち10カ月間、風力は無煙炭と原子力をそれぞれ上回ったとしている。風力発電のピークは、12月8日正午に記録された45.9GW。

 風力発電の内訳は、陸上が87.4TWh(前年比2TWh増)、洋上が18.8Wh(同1.4TWh増)。洋上風力の大半(16.6TWh)は、北海で発電されたものという。

 発電量が増加した太陽光や風力と対照的なのが水力発電である。2018年は夏季に極度の乾燥が続いたため、電源構成に占める水力の発電量はわずか17TWh(3.2%、前年比15.2%減)と30年間で2番目に低い水準を記録。5月から12月までの間、水力の月間発電量はいずれも前年を下回ったという。

 バイオマスによる発電量は44.79TWhで前年とほぼ同等だった。

 非再エネの発電量は、いずれも横ばいか前年を下回ったという。具体的には、褐炭が前年比2%(2.7TWh)減の131.28TWh、無煙炭が同7.4%(6TWh)減の75.71TWh、天然ガスが同9.1TWh(18.5%)減の39.99TWh、原子力は72.08TWhで前年とほぼ同等だった。