設備利用率にもトップランナーを採用

 設備利用率の想定値については、2017年度の15.1%を、2018年度には17.1%と2ポイント引き上げる案が示された。これは、2017年度想定値では「1MW以上の平均値」を採用していたのに対し、2018年度想定値では「1MW以上の上位25%水準」を採用したため(図3)。

図3●設備利用率の平均値(左)とトップランナー分析(右)
図3●設備利用率の平均値(左)とトップランナー分析(右)
(出所:経産省)
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 設備利用率の想定値にも、システム費用と同様に、トップランナー値(1MW以上案件の上位25%水準)を採用することに変更したことに関し、事務局は、「全分野で急速に過積載が進んでおり、今後、設備利用率の上昇が見込まれる」「コスト効率的な導入を促すため」との理由を挙げている(図4)。

図4●過積載率(=太陽光パネル容量÷連系出力)の推移
図4●過積載率(=太陽光パネル容量÷連系出力)の推移
(出所:経産省)
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 つまり、2018年度想定値は、システム費用が24.4万円/kWから22.1万円/kWに低下、設備利用率が15.1%から17.1%に上昇、それ以外は据え置きとなった。このため2018年度の買取価格が「引き下げ」となるのは確実で、とりわけ設備利用率を2ポイント引き上げた影響は大きいと見られ、21円/kWhだった事業用太陽光の買取価格は、19円/kWh前後に下がることが必至の情勢になってきた。

 このほか、12月27日のFIT算定委では、2MW以上の太陽光が対象となる入札制度に関して、2017年度の結果とそれを受けた制度の改善案が示された。2018年度には、2回実施し、低調だった2017年度の状況を踏まえ、2回目の入札量を当初、予定した500MWから250MWに減らし、保証金を次回入札に充当できることや、上限価格を非公表とするなどの制度変更が提案された(関連記事)。

 また、バイオマス発電に関しては、認定量の急増している「一般木材等バイオマス」で入札制の対象となる分野に関し、「パーム油などバイオマス油脂以外の一般木材に関しては、バイオマス比率考慮前で10MW以上」「パーム油などバイオマス油脂に関しては全規模」との案が示された。

 こうした事務局案に関して、委員は概ね賛同する意向を示しており、経産省の示した方向で決まる見込みだ。