Gunfleet Sands洋上風力発電事業
Gunfleet Sands洋上風力発電事業
(出所:JERA)
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Formosa 1洋上風力発電事業
Formosa 1洋上風力発電事業
(出所:JERA)
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 東京電力フュエル&パワーと中部電力の折半出資会社であるJERA(東京都中央区)は12月28日、海外の洋上風力発電事業2件に出資すると発表した。同社が初めて参画する洋上風力発電事業になる。

 英国エセックス州沖合の「Gunfleet Sands洋上風力発電事業」の事業権益の24.95%、台湾苗栗県沖合の「Formosa 1洋上風力発電事業」の事業権益の32.5%を取得。また、両事業への参画に伴い、2018年度中に英国および台湾に拠点を新設し、さらなる事業拡大を目指す。

 「Gunfleet Sands洋上風力発電事業」は、48基の着床式洋上風力発電設備で構成され、総出力は172.8MWに達する。2010年4月に商業運転を開始した。同社以外の出資比率は、デンマークの大手電力会社Ørstedが50.1%、日本政策投資銀行(DBJ)が29.95%。

 「Formosa 1洋上風力発電事業」は、22基の着床式洋上風力発電設備から構成され、総出力は128MW。うち2基・8MWはすでに2017年4月に商業運転を開始した。残りの20基・120MWは2019年末に運転開始する予定。同社以外の出資比率は、Ørstedが35%、豪投資会社のMacquarieが25%、台湾の再生可能エネルギー事業者Swancorが7.5%。

 同社によると、「洋上風力発電は、欧州では既に成熟した産業だが、アジアはまだ初期段階にあり、特に周囲を海に囲まれた日本は大きな開発余地がある」としている。海外の洋上風力発電事業に参画することで発電設備の建設および運用に関する知見を獲得し、国内外における洋上風力発電事業を推進していく。

 英国沖の洋上風力事業に関しては、三菱商事や関西電力、Jパワーが出資、日本生命保険相互会社が融資している。住友商事は、フランスとベルギー沖の洋上風力に出資参画を表明している。また、台湾沖の洋上風力には、三井物産が出資・参画を表明している。洋上風力は、今後、日本でも導入が予定されており、各社の出資は、先行する欧州の洋上風力に参画することで、ノウハウを吸収する狙いがあるとみられる(関連記事: 「再エネ海域利用法」公布、洋上風力WG初会合、先行開発者への対応が焦点に)。