超小型の分光センサーが登場した。5mm角でありながら、380~1050nmの波長域に対応する(図1)。同様の機能を持つ既存の分光センサーは大型な上、数十万円から数百万円と高価。今回の開発品は、一定の量産規模を確保できれば10米ドル程度にできる可能性がある。

図1 韓国nanoLambda社が開発した超小型分光センサー「apollo」
図1 韓国nanoLambda社が開発した超小型分光センサー「apollo」
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 開発したのは韓国nanoLambda社。韓国Samsung Electronics社出身のBill Choi氏が起こしたベンチャー企業である。

 nanoLambda社はこの5mm角の分光センサーを「apollo」と名付け、すでに開発キット「Application Development Kit」(ADK)を提供している。2015年末には量産試作を開始し、2016年春には出荷が始まる見込みである。

 従来の分光センサーに比べて体積を1/10より小さく、1/100を超える低コスト化が期待できるapollo。最大の特徴は、5mm角未満の光を検出する半導体チップの表面に、1000種類以上のフィルターを作り込んだ点だ。このフィルターは、波長ごとに光を分類してフォトダイオードに送る役割を担う。