薬品を使うウェット系のChemical LAB、電気測定や物理解析を行うFA LAB、空調などを安定させるためのTester Areaに分かれる。
薬品を使うウェット系のChemical LAB、電気測定や物理解析を行うFA LAB、空調などを安定させるためのTester Areaに分かれる。
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不良原因の解析の流れ。今回の設備増強により、開封以降の作業(下段)も同ラボでできるようになった。
不良原因の解析の流れ。今回の設備増強により、開封以降の作業(下段)も同ラボでできるようになった。
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 インフィニオンテクノロジーズジャパンは、東京本社に併設していた半導体製品の不良原因を解析する解析ラボを移設し、12月8日に報道陣に公開した。床面積を約5倍に拡張し、人員も2倍になった。大半のケースは10~2週間以内に解析結果のレポートを戻せるようになるなど、解析の効率を高められるとする。

 拡張のきかっけとなったのは、独Infineon Technologies社による米International Rectifier(IR)社の買収だ。インフィニオンテクノロジーズジャパンは2006年に大崎にある東京本社に解析ラボを開設していた(関連記事1関連記事2)。「IR社は品質を重視する会社」(インフィニオンテクノロジーズジャパン 代表取締役社長の森康明氏)であり、IRジャパンも解析ラボを持っていたことから、両者をインフィニオンテクノロジーズジャパン本社近くのビルに移設統合した。人員・装置を合わせるだけでなく、さらに装置や設備を増強したという。

 従来から、解析ラボでは超音波やX線によるICパッケージの内部検査、リーク電流等のDC特性およびAC特性等の電気特性の検査などを行っている。今回の装置・設備の増強では、樹脂の開封解析までできるようにした。具体的には、有機溶剤や無機溶剤を使って樹脂を溶かすためのドラフトチャンバ―や薬液処理設備、モールド樹脂を蒸発させて開封するレーザー加工装置、スラリーを使って裏面から削り不良個所を顕微鏡で見られるようにするためのポリッシャーが加わった。例えば、エポキシモールドを使うIGBTなどの場合は、途中までレーザー加工装置で大まかにモールド樹脂を取り除き、最後に薬液で仕上げたり、薬液処理で不良個所がなくなる可能性がある場合はポリッシャーで裏面から削っていく、といった使い分けをする。