治療器具や術前シミュレーション用模型、人工骨の造形など、3Dプリンターは医療分野でも活用の場を広げている。外科領域を中心に、学会で3Dプリンターが話題にのぼることも増えた。

金属3Dプリンター「EOS M290」で造形した航空機部品の一部(データ提供:Morris社)
金属3Dプリンター「EOS M290」で造形した航空機部品の一部(データ提供:Morris社)
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 “メーカーズ”ブームを象徴する3Dプリンターだが、中小企業にとって導入のハードルは低いとは言えない。数億円規模の設備投資や、3Dプリンターを使いこなせる技術者が必要だからだ。3Dデータを生成する設計ツール(3D CAD)の扱いにもノウハウがいる。

 こうした状況に応えようと、3Dプリンターを手軽に試せるサービスを提供しているのが、オリックス・レンテックだ。計測器やパソコンなどのレンタル/リースを手掛ける同社が2015年度に始めたのが、3Dプリンターを使った造形受託サービスである。

 2015年5月からドイツEOS社の金属3Dプリンター、同年10月からは米Stratasys社の樹脂3Dプリンターを使った造形受託サービスを開始。若手技術者が担当し、担当者自身が「めきめきと腕を上げ、要求以上にハードルの高い造形を日々こなしている」(オリックス・レンテック)。同年6月には東京・町田市の技術センターに「Tokyo 3D Lab.」を開設。3Dプリンターの見学や商談を行えるようにした。