経済産業省は11月11日、再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会の第4回会合を開催し、再エネの系統制約の解消に向けた施策を公表した。電力会社間を結ぶ広域連系系統と地域内のローカル系統の整備や運用、出力制御ルールなどに関して、今後の改善に向けた方向性を示した。
広域連系系統の整備に関しては、電力広域的運営推進機関が「広域系統長期方針」を策定することになっており、その中で、ベストミックスで決まった再エネ比率22~24%の達成を想定した整備案を検討する。今年度中に基本方針をまとめるという。
また、電力システム改革のなかで、今年11月6日に基幹系統整備に関する「費用負担ガイドライン」を公表した。同ガイドラインでは、系統増強費に関し、再エネを含めた発電設備設置者が負担する「特定負担額」と、広く需要家が負担する「一般負担額」の割合を算定するための指針を示した。原則として、基幹系統(上位2電圧)は一般負担となった。
このため、メガソーラー(大規模太陽光発電所)などの系統連系に際して電力会社から請求される工事費負担金のうち、今後は、基幹系統に関わる部分の工事費の負担分が軽減され、多額の系統増強工事費を求められるケースが減少する可能性が出てきた。年内には「費用負担ガイドライン」の詳細版を公表するという。
加えて、来年4月の電力小売りの全面自由化(ライセンス制導入)に伴い、「優先給電ルール」を見直す。優先給電ルールとは、需給バランスを一致させるため、出力を抑制する電源の順位を決めたもの。これまで新電力の火力発電については、太陽光・風力よりも順位が低かったが、見直しにより、太陽光・風力に先立って出力を抑制できるようになる。