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中国人“爆買い”はブームで終わらない

  • 宇野 麻由子
  • 2015/10/29 17:34
  • 1/2ページ

 野村総合研究所は、「中国人訪日旅行者の実態とニーズ」に関する調査結果を発表した。(1)中国が低成長になったとしても1人あたりGDPは増加しており、今後も中国人旅行者は増加傾向にあると予測されること、(2)中国人訪日旅行者の約4割が10~20万円の買い物をしており、その割合は世帯収入によらないことなどを理由に、“爆買い”は一時のブームではなく今後も続くとの見込みを示した。今後、中国人訪日旅行者を増やすためには、フリーWi-Fiの拡大や中国語対応がカギになるとする。

 同社が海外旅行と相関があるとみるのが、「1人あたりGDP1万ドル」のライン。中国では2013年を境に大都市の多くがこのラインを突破、同年の中国の海外旅行者は約3000万人になった。今後もほかの大都市や内陸都市などで所得水準が高まっていくとみられるため、中国の海外旅行者はさらに増加、それに伴って中国人訪日旅行者も増加するとみる。「低成長よりも、むしろ為替変動の影響の方が大きいだろう。ただし、為替変動の影響は短期的なもので、中長期的には中国人訪日旅行者が増加するとみている」(野村総合研究所 社会システムコンサルティング部 産業インフラグループ グループマネージャーの岡村篤氏)。

 中国人訪日旅行者といえば“爆買い”のイメージが強いが、それは他国の訪日旅行者に比べて中国人による消費額が突出して高いため。訪日外国人旅行者のうち、中国人の占める割合は26.5%だが、消費額では45.4%、金額にして1兆円以上に上る。中でも多いのが「買い物代」だ。訪日外国人旅行者全体では平均7.9万円なのに対して、中国人は平均14.4万円で、旅行消費額の半分を買い物に費やしている。

2013年に訪日外国人の18.0%だった中国人は、2015年1~9月には26.5%に増加。
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 ただし、“一部富裕層が大量に買い込む”というイメージは間違いのようだ。今回の調査にあたり、同社はインターネットアンケートで15都市各500人(計7500人、うち6000人が訪日経験あり)に、うち10都市でグループインタビュー(計180人)を行った。その結果、「世帯年収の差が買い物支出額に与える影響は比較的軽微だった」(中国Nomura Research Institute Shanghai社、Consumer Products & Services Department Senior ConsultantのLiu Siwei氏)。確かに「新居の内装一式を日本で買いそろえるという人もいる」(Liu氏)が、全体として買い物支出額として多いのは4~10万円が36.8%、10~20万円が37.9%。この割合は世帯年収4~21万元の中間層(イメージとして、年収21万元が日本の年収800万円くらい)でも、世帯年収60万元以上の富裕層(年収1500万円以上相当)でもほぼ同じだ。

世帯年収別の買い物支出額。どの区分でも4~10万円、10~20万円が多く、その割合があまり変わらない点は共通している。平均支出額は年収が高い方が多くなる。
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 この理由を「いわゆる“お土産”だけでなく、知人などに“頼まれて買ってくる”場合も多いため。お金も後で支払ってもらうので、消費額が旅行者の収入によらない」(Liu氏)と説明する。訪日回数の多い人の場合、買い物の7~9割は“頼まれたもの”という。つまり、例え今後内陸都市などの中間層旅行者が増えたとしても、消費額は高いまま維持され、“爆買い”が続くというわけだ。

 訪日時の買い物で多いのは、1位が化粧品(直近の旅行で、約6割の人が購入)、2位がデジタル家電(同5割弱)、3位が服・靴・鞄などのアパレル関係(同約4~5割)だった。デジタル家電ではニコンやキヤノンなどのデジタルカメラや、パソコンなどが人気という。なお、炊飯器や空気清浄器といった小型家電(同約4割)では象印など、液晶テレビといった大型家電(同約2~3割)ではパナソニックなどが人気という。日本で買い物をする理由を尋ねたところ、「同じような商品でも、日本と中国では品質が違う」「中国で購入すると偽物の懸念がある」といった回答があった。家電に関しては、日本独自の機能なども受けているようだ。

 購入する場所にも特徴がある。家電製品ではもちろん家電量販店での購入が多いが、イオンなどショッピングセンター、三越などの百貨店での購入も多い。これは「団体ツアー旅行など、ガイドと一緒に限られた時間で各所を回る中で、いろいろなジャンルの商品を1カ所でそろえようとするから」(Liu氏)。さらにドンキホーテといった24時間総合ディスカウントストアでの購入も少なくない。「団体ツアー旅行で昼間の自由時間が限られる中、時間の都合がつく夜に買い物できるからのようだ」(Liu氏)。

 買い物に際しては、約9割の人があらかじめ買い物リストを作成しており、その際には口コミや旅行ガイドブック、検索エンジンなどで情報を入手していた。さらに、帰国後に継続購買する場合は、Alibaba Groupの「T-mall(天猫網購)国際」などの「越境EC」(海外とのネット通販取引)を使うのが主流となりつつあるという。

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