東芝は、一部メディアで報道されていた半導体事業の構造改革に関して正式発表した(ニュースリリース1:PDF)。今回正式発表された改革の指針は複数ある。

 第1にCMOSイメージセンサー事業から撤退する。これに伴い、同製品を製造する大分工場の300mmウエハーラインなどをソニーに譲渡する(ニュースリリース2)。譲渡完了後、ラインはソニーの完全子会社であるソニーセミコンダクタ(SCK)の製造拠点の1つになり、主にCMOSイメージセンサーの製造に使用される予定だという。

 また、300mmウエハーラインで製造しているCMOSイメージセンサー以外の半導体は、SCKに委託生産する予定。300mmウエハーラインの譲渡に伴い、関連する東芝及びその関係会社の社員(約1100名)を、ソニーグループにおいて雇用されるように調整を行うという。

 第2に白色LED事業からの撤退する。2015年度末までに同事業を終息させる。同事業は同社の分類では「ディスクリート半導体事業」の一部で、「ディスクリート半導体事業」に関してはパワー半導体や光デバイス、小信号デバイスに注力していく。

 第3に、CMOSイメージセンサー事業を含む同社の分類で「システムLSI事業」では、第1の指針のCMOSイメージセンサー事業の撤退に加えて、製造ラインの効率運営を目的に新会社を発足させる。新会社は、大分工場の200mmおよび150mmウエハーラインと岩手東芝エレクトロニクスを統合する形で発足させるという。

 新会社ではアナログ半導体の受託製造サービスも行い、ラインの稼働率を向上させる計画。CMOSセンサー事業から撤退した「システムLSI事業」では、車載用アナログIC、モーター制御ドライバーICなどに注力する。

 なお、上記指針に沿った構造改革に伴い、「システムLSI事業」、「ディスクリート半導体事業」および「セミコンダクター&ストレージ社」の営業・スタッフ部門を対象に、「セミコンダクター&ストレージ社」内での再配置、および再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施する。