日立製作所と、日立オートモティブシステムズ、クラリオンの3社は、一般道での自動運転の実用化に向けた基盤技術を開発した(ニュースリリース)。歩行者などの行動変化を予測し、リアルタイムで最適な速度パターンを高速演算することで、安全かつ実用的な速度で衝突を防止する技術である。今回、その有効性を実験車にて確認した。

 日立グループでは、駐車場や高速道路における自動運転に加え、一般道での自動運転実現に貢献する技術の先行研究にも取り組んでいる。一般道では、通行車両や歩行者等の移動体や様々な障害物を認知し、これらの行動を予測・判断しながら、安全かつ周囲の流れに沿った運転操作が必要である。

 高速道路に比べて、自動運転実現に向けた課題はより複雑である。人間が行う高度な認知・判断・操作を含む運転を自動化するために、移動体や障害物を認知することに加えて、その行動変化予測と、予測に基づいて衝突を防止する運転計画をリアルタイムに実行し、安全かつ実用的な速度で走行することが求められる。

 今回、日立グループでは、これらの課題を解決するための基盤技術を開発し、その有効性を実験車にて確認した。実用的な歩行者通過速度、および良好な乗り心地の基準である加速度(2.2m/s2以下)、加速度変化(2.0m/s3以下)を達成した。今後、検証を重ねることで技術開発を加速し、自動運転の実用化に貢献していくとする。

歩行者行動予測に基づく速度制御の例 上は実験車内、下は予測制御情報である。日立らのイメージ。
歩行者行動予測に基づく速度制御の例 上は実験車内、下は予測制御情報である。日立らのイメージ。
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