NECは10月9日、再生可能エネルギーの大量普及に備えた大容量蓄電システムの開発に関し、同社の米子会社であるNECエナジーソリューションズ(米マサチューセッツ州)が米EOSエナジーストレージ社(米ニューヨーク州)と協業する、と発表した。

 NECエナジーソリューションズはスマートグリッドなど先端的なエネルギーシステムを手掛けている。今回の協業では、統括制御システムやパワーコンディショナー(PCS)などで構成されるNECエナジーソリューションの電力系統用蓄電システムの技術と、EOSの持つ大容量蓄電システム「亜鉛ハイブリッド正極電池・Eos Znyth(ジンス)」や「Eos Aurora(オーロラ)」を組み合わせ、4時間以上、長時間放電できる低コストな大容量蓄電システムを2016年中に開発することを目指す。

 昨今、世界中で再生可能エネルギーの利用が急速に高まっている一方、その出力変動に対応した需給バランスや周波数の調整が課題となっている。今回の提携によって実現する蓄電システムは、迅速かつ長時間での充放電が可能なため、電力の需給調整や周波数調整に適しているという。

 NECエナジーソリューションズは、系統向けの蓄電システムに関し、全世界11カ国で110MW以上の実績を持ち、出力32MW以上の大規模システムでの商用稼働率は99%以上で、システムを設置後、最短6週間での商用運転が可能という。

 また、EOSの製造する「亜鉛ハイブリッド正極電池・Eos Znyth(ジンス)」は、正極に亜鉛やチタンなどを活用し、独自の電解液・緩衝材により酸化還元反応を高め、低コスト・長寿命が特徴という。4時間以上の長時間放電が可能で、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの需給調整に向いている。