エイチ・アイ・エス(以下H.I.S.)は、WHILLが開発・製造する電動車いす「WHILL Model A」を採用した国内バスツアーを初めて発売する。通常の車いすでは行きにくい場所を中心に3商品を用意した。

 H.I.S.によると、観光地とはいえ整備されている場所ばかりではなく、車いすはもちろん自分の足でも観光することが難しい場所が多くあるという。高い走行性能を備えるWHILL Model Aを採用することで、今まで諦めていた場所に行けるようになり、また、介護者の負担も軽くなるとする。

 例えば、今回の3商品のうちの1つである長野県の上高地へ行くツアーでは、見どころとなる明神池まではバスを降りてから徒歩1時間程度の移動が必要。これまで車いすでの観光は難しかったが、WHILL Model Aを採用することで楽に観光できるようになるという。

 各商品で、先着4台はWHILL Model Aのレンタルが無料になる。限定台数を超えた場合は1台1万5000円でレンタルできる。

 WHILLは日産自動車やソニー、オリンパスなどに在籍していたデザイナーや技術者が設立したベンチャー企業。WHILL Model Aは、デザイン性や機能性を備えているのが特徴。独自に開発した24個の小さなタイヤで構成される前輪タイヤにより、幅60cmのコンパクトな車体は後輪を中心にその場で360度回転が可能。4輪駆動で、7.5cmの段差を乗り越えられるため、細い路地や砂利道、でこぼこ道なども走行できる。