産地研究室に設置した営農型太陽光発電所
産地研究室に設置した営農型太陽光発電所
(出所:山形県)
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 山形県は、ワラビを対象にした営農型太陽光発電所(ソーラーシェアリング)の実証試験の取り組みについて公表した。山形県・産業経済部農業技術普及課の産地研究室が2014年11月から運用し始めたもので、最上総合支社産地研究室に出力10kWの営農型太陽光発電所を設置した。

 縦0.55m・横1.2mの単結晶シリコン型太陽光パネル(出力105W)・112枚をワラビ圃場の上に設置した。アレイ(パネルの設置集合体)は、縦10.8m・横10.8mで、圃場の上3.7mの高さになる。設置角は30~90度まで、無段階で変えられ、隙間から日射が差す。

 太陽光発電設備は、looop(東京都文京区)の農地向けMY発電所キット「ソラシェア」を採用した。パワーコンディショナー(PCS)の定格出力は10kWで、系統連系して売電せずに、施設内で自家消費している。

 2014年11月26日から、太陽光発電とその下でのワラビの生育を始めた。収穫は来春を予定している。山形県は全国シェアで約3割を持つ国内最大のワラビの生産地となっている。農地の一時転用(架台設置部分)による営農型太陽光では、圃場の上に太陽光パネルを設置しない場合に比べて、生産量の減少が2割以内に留まることが条件になっている。産地研究室によると、「これまでの生育状況は、この条件を満たしている」という。

 山形県では、農業総合研究センター園芸試験場で、ミョウガを対象にした営農型太陽光発電の実証試験にも取り組んでいる。