モデル住宅の外観
モデル住宅の外観
(出所:ミサワホーム)
[画像のクリックで拡大表示]
京セラ製の太陽光パネル
京セラ製の太陽光パネル
(出所:ミサワホーム)
[画像のクリックで拡大表示]
「マルチDCリンクタイプ」のLiイオン蓄電池システム
「マルチDCリンクタイプ」のLiイオン蓄電池システム
(出所:ミサワホーム)
[画像のクリックで拡大表示]

 ミサワホーム、ミサワホーム総合研究所(東京都杉並区)、京セラは9月24日、奈良県内に建設したモデル住宅を活用し、自家発電した再生可能エネルギーを優先的に使用する「エネルギー自家消費型住宅」の実証実験を10月から共同実施すると発表した。

 京セラ製の太陽光発電システム(6.6kW)とLiイオン蓄電池システム(7.2kWh)を搭載し、相互連係することでエネルギーを最適に利用する。蓄電システムは、太陽電池で発電した直流電流で直接、充電する「マルチDCリンクタイプ」を採用した。直流から交流への変換を不要にすることで電力ロスを抑え、充電効率を従来品に比べて約6%高めたという。

 停電時には自動で自立出力に切り替わり、太陽光発電システムから蓄電システムに最大3kWの充電を行いつつ、自立出力を最大3kW使用できる。

 今回の実証実験はミサワホームの防災・減災ソリューション「MISAWA-LCP(ミサワ エルシーピー)」の一環として、災害が発生しても安心して自宅生活を継続できる住宅の実現性を検証するもの。外部からの電力やガスの供給を遮断し、生活に必要なエネルギーを自家発電分で賄う状態を再現した上で、複数の世帯がモデル住宅で生活し、設備機器や家電の稼働状況、室内の温度・湿度といったデータを収集する。自家発電したエネルギーのみで安心した生活が継続可能かを分析する。

 モデル住宅では、ミサワホームが標準化している高性能断熱材仕様に樹脂サッシを採用することで建物の断熱性を高めた。また、地窓・高窓の開閉やシーリングファン・エアコンのオンオフを自動制御して排熱と涼風を取り込む涼風制御システムや、室内の風通しを良くする南北通風設計、西日を遮る日よけスクリーンなどの省エネ設備を導入した。

 ミサワホームグループと京セラは、今回の実証データを基に、自家発電したエネルギーを使用して災害時にも自宅生活を継続できる住まい方や仕様を提案していく。また、太陽光では、発電コストが既存の系統電力の電力価格と同等になる「グリッドパリティ」の達成が間近なことから、来年以降、平常時にも極力、エネルギーを買わない住まい方について、実証実験を進めていくという。