写真:Holst Centre
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 オランダの研究所であるHolst Centre、ベルギーIMEC、同Ghent UniversityでIMECが出資する研究所Centre for Microsystems Technology(CMST)などは、LEDを用いたカラー表示可能なフレキシブルディスプレーを開発したと発表した。化合物のInGaZnO TFTを用いたアクティブマトリクス型で、布に貼りつけて洗濯も可能だという。開発にはパナソニックも参加している。

 このディスプレーの画素数は32×32画素×RGB、精細度は13ppi(pixels per inch)、つまり画素間隔が約2mmピッチで、平均200cd/m2超の輝度を備える。駆動電圧は7Vである。

 工夫した点は、画素間をつなぐ配線を、蛇行する形状のCu配線にすることで曲げ伸ばしに対する耐性や伸長性を持たせたこと。蛇行配線は、米University of Illinois ProfessorのJohn Rogers氏の研究室がセンサー端末などに用いた例があるが、ディスプレーではこれが初めてとなるという。

 基板にはポリイミド樹脂、封止材にはゴムを利用し、衣服用生地に貼り付けたまま洗濯できるようにした。Holst Centreなどによれば、製造プロセスには量産用技術を用いており、早期の実用化が可能だとする。

 ちなみに、2015年6月に開催されたディスプレーの学会「SID 2015」では、パナソニックの研究者が筆頭となって1世代前の開発品を発表している。これは、画素数が45×80画素×RGBで、精細度が8.5ppi(3mmピッチ)、輝度が30cd/m2、駆動電圧が5Vのパッシブマトリクス型ディスプレーだった。