Sentinel Analyticsのシステム概要
Sentinel Analyticsのシステム概要
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 日立メディコは、超電導MRI装置の故障とその原因を高精度で事前検知できる保守サービス「Sentinel Analytics」を2015年10月1日からスタートする。今回のサービスは、日立製作所のヘルスケアグループが「2015国際医用画像総合展(ITEM 2015)」に参考出展した「予兆診断サービス」の本格展開となる(関連記事「IoT/M2Mと機械学習で医療機器の稼働率を向上、日立製作所」)。

 Sentinel Analyticsは、日立の予兆診断技術「Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス」とビッグデータ分析関連ソフトウエア「Pentaho」を活用し、超電導MRI装置の冷凍機(コールドヘッド)の状態を監視する。故障発生の数カ月前に故障の予兆を検知できるため、冷凍機が壊れる前に計画的な部品の修理や交換を実施して故障を回避する「予知保全」が可能になる。

 Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービスは、日立独自のクラスター分析技術に基づく診断アルゴリズムを活用して、機器の異常状態を早期に検知する。機械学習技術を応用し、機器ごとの正常状態のセンサーデータを学習させて個別に診断する。

 分析関連ソフトウエアのPentahoは、米国日立データシステムズ社の子会社であるペンタホ社が提供する。2006年にサービスを開始した日立メディコのIoT/M2Mシステム「Sentinelカスタマーサポート」の運用で蓄積したビッグデータをPentahoで分析し、各種の故障原因をパターン認識により高精度で検知する。例えば、技術者の経験やノウハウに基づくデータ分析では検知が難しかった微量な液体ヘリウムの減少もいち早く検知できるとする。試験導入では、MRI装置が使用できない故障時間(ダウンタイム)を16.3%も低減できたという。