熱可塑性樹脂をヒーター内蔵の可動ヘッドから吐出する材料押出法*1の3Dプリンターにおいて、比強度に優れた炭素繊維強化樹脂(CFRP)を造形材料として使えるようになってきている。ただし、従来は短い炭素繊維を練り込んだ樹脂を造形材料として使う場合がほとんどだ。

*1 熱溶解積層法や熱溶融積層法、FDM(Fused Deposition Modeling)、FFF(Fused Filament Fabrication)などとも呼ばれる。

 このような状況の中、米Markforged社が開発した長繊維を利用できる3Dプリンターが注目を集めている1)。2014年1月に最初の製品「Mark One」を発売して以来、既に欧米市場では数千台の納入実績があるという。2016年には同社製3Dプリンターの日本市場での正式販売も開始された*2

*2 ミルトス(本社東京)を日本市場におけるエグゼクティブ・アドバイザーに任命。同社がMarkforged社の代理として日本におけるディストリビューター網の開発、市場・顧客の発掘、価格設定、チャネル展開などのマーケティング戦略全般に渡るコンサルティング業務に携わる。2016年11月時点では、ファソテック(本社千葉市)がMarkforged社製3Dプリンターを販売・サポートすることが決まっているという。