ダイセルポリマー(本社東京)が開発した、金属と樹脂の新しい接合技術「DLAMP(ディーランプ)」を紹介する。この技術を初めて発表したのは2014年3月で、同年4月に展示会に出展し、技術雑誌で技術内容を説明するなどしている。

 我々はダイセルの合成樹脂部門が分社・独立した材料メーカーで、樹脂材料の製造販売を手掛けている。もともとはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂からスタートしたが、今はそれだけではなく、いろいろなエンジニアリング・プラスチック(エンプラ)やポリプロピレン(PP)などを扱っている。中でも「プラストロン」という材料は、DLAMPの開発に至った1つのキーポイントになった。

 プラストロンは長繊維強化樹脂と呼ばれるもの。我々が短繊維強化樹脂と呼ぶガラス繊維や、化合繊維で強化された樹脂とは異なり、ペレットの長さ分だけガラス繊維などが入っている。これをそのまま射出成形することで、短繊維強化樹脂にはない衝撃強度や剛性を得られる。金属やガラス長繊維マット強化熱可塑性樹脂複合材料(GMT)のような構造材にも適用できるのではないかと考えている。