近年、働き方改革を推進しているDMG森精機。そのきっかけは、ドイツの同業他社との経営統合だった。ドイツでは残業をほとんどしないのに、なぜ日本並みの品質を実現できるのか経営統合の過程で抱いた素朴な疑問が品質と効率の二兎を追う原動力になっている。

写真:加藤 康
写真:加藤 康

 2009年にドイツのGildemeister社(現DMG Mori社)と業務・資本提携を締結して以来、製品の共同開発や「DMG MORI」へのブランド統一、そして2015年に子会社化と、経営統合を進めてきました。その過程で気づいたことがあります。日本とドイツを比べると、品質は互角なのに、労働時間はドイツの方が圧倒的に短いのです。ドイツのフロンテン工場では残業をほとんどしませんが、日本の工場と同じぐらい高品質な製品を造っています。