トヨタ自動車は2016年6月に、プラグインハイブリッド車(PHEV)の新型「プリウスPHV」を日本で初めて公開した。2016年秋に日米欧で発売を予定しており、電気自動車(EV)走行の距離を延ばし、走行性能を向上させたのが特徴である。日本・欧州仕様車には、太陽光充電システムを搭載した(図1)。

図1 新型「プリウスPHV」
図1 新型「プリウスPHV」
2016年秋に日米欧で発売を予定しており、日本では初公開となる(写真は日本仕様車)。
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 新型プリウスPHVは、荷室の下に搭載するリチウムイオン電池の容量を現行モデルの2倍(8.8kWh)に高め、JC08モードのEV走行距離で60km以上を狙う。ハイブリッドシステムでは、エンジンと動力分割用の遊星歯車の間に「ワンウェイクラッチ」を設け、EV走行時に二つのモーターを使えるようにした。

 具体的には、通常はEV走行に使う「MG2」という駆動用モーターに加えて、通常は発電機として使う「MG1」というモーターを駆動にも使う。トヨタのハイブリッドシステムでは、エンジンの入力は遊星歯車の遊星キャリアに、MG1はサンギアに、MG2を含む駆動軸はリングギアにつながっている。新型PHVのシステムではエンジンとキャリアの間に、一方向だけに回転力を伝えるワンウェイクラッチを設けた(図2)。

図2 駆動システムの比較
図2 駆動システムの比較
エンジンと動力分割用の遊星歯車の間に「ワンウェイクラッチ」を設け、EV走行時に二つのモーターを使えるようにした。
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