図1 ドイツContinental社日本法人社長のBert Wolfram氏
図1 ドイツContinental社日本法人社長のBert Wolfram氏
「日本は自動運転のトップランナー」と述べ、日本市場への期待を示した。
図2 ドイツBosch社Automotive Electronics PresidentのKlaus Meder氏
図2 ドイツBosch社Automotive Electronics PresidentのKlaus Meder氏
自動運転化によりクルマは「第3の生活空間」になるとの考えを述べた。

 クルマ技術の展示会「オートモーティブワールド2017」が、2017年1月に東京ビッグサイトで開かれた。ドイツContinental社やドイツBosch社など、海外の大手部品メーカーが自動運転を開発方針の軸とした基調講演を実施(図1、2)。自動運転化によって発生する課題の解決を商機に、部品メーカーによる自動運転を支援する技術の出展が相次いだ。

 「日本は自動運転のトップランナーになる」――。Continental社日本法人社長のBert Wolfram氏は、日本市場への期待を語る。同社はドイツVolkswagen社に自動ブレーキなどに用いるミリ波レーダーを供給する他、トヨタ自動車やスズキなど日本メーカーへもカメラやセンサーなどの供給を広げている。

 2019年には次期LiDAR(Light Detection and Ranging:レーザーレーダー)の量産を開始する。周囲の障害物までの距離を3次元で認識。ADAS(先進運転支援システム)や自動運転の安全性をより一層高められる。

 次期LiDARの検知距離は200mほど。可動部品が無く、従来品よりも安価に作れるのが特徴だ(図3)。安価な次期LiDARの供給で、日本をはじめ世界市場でのシェア拡大を狙う。

図3 Continental社が2019年に量産する次世代レーザーレーダー
図3 Continental社が2019年に量産する次世代レーザーレーダー
障害物を3次元で認識する。(a)搭載車両による検知イメージ。(b)同社が試作したレーザーレーダー。
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 Bosch社Automotive Electronics PresidentのKlaus Meder氏は、自動運転技術への同社の取り組みを語るとともに、「クルマは第3の生活空間になる」との考えを述べた。自動運転化により運転に関与しない時間が増える。運転中に食事や読書を楽しめるようになる。

 ただ、車内を生活空間のようにするには、いくつか課題が存在するという。特に自動車メーカー各社が2020年以降に導入を見込んでいる、米自動車技術会(SAE)が定める自動運転レベルで「レベル3」の車両では、操舵や加減速などの操作は車両が行う。しかし緊急時には運転者が操作へ介入しなくてはならず、自動運転中の事故責任は運転者にある。レベル3の自動運転で必要なの は、(1)新しいインターフェース、(2)眠くならない仕組みの構築、(3)乗員の状態検知――などの技術だ。