編集部から

 特集の総論で触れたように、東北エプソンの「人の多機能化」をはじめとして、取材した工場の多くが、異口同音に人材の重要性を強調していたのが印象的でした。 (吉田)

【訂正】本誌2017年6月号特集1「温故知新の設計改革」Part3の傍注(*5)に「HyperWorks」とあるのは、正しくは「HiramekiWorks」でした。お詫びして訂正いたします。

おすすめの1冊:ロケット開発から学ぶ

ロケットを<br>理解するための10のポイント
ロケットを
理解するための10のポイント
著者:青木 宏
定価:2400円+税
発行:森北出版
判型:A5変形判 160ページ
ISBN978-4-627-69131-5

 拡大が期待される宇宙ビジネス。本書は、その根幹とも言えるロケットについて書いた一冊である。筆者は、日本のロケットエンジン「LE-5」「LE-7」の開発に従事してきた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の元研究員。そんなロケット開発のプロが、ロケットの仕組みや技術の要諦を分かりやすく解説している。

 大きく2部構成となっており、第1部「なぜ,ロケットだけが宇宙に届くのか? ─その原理と条件─」では、ロケットの基本的な原理と周回軌道に到達するための理論などを、簡単な数式とともに平易な言葉で紹介している。中でも興味深いのは、5、6章における世界のエンジン開発の歴史と、失敗事例および対策についての解説。現場を知るプロならではの視点で書かれたトラブルの数々は、「プロジェクト推進」という観点からも、製品開発の参考になる点が多い。

 第2部「新しいロケットエンジンを設計する ─ロケットエンジン設計入門─」では、筆者の経験談を交えつつ、液体ロケットエンジンの設計に必要な考え方や、具体的技術を紹介している。特に最後の2章では、燃焼器とターボポンプを材料や構造面から詳しく解説しており、技術者なら興味深く読めるだろう。 (吉田)