編集部から

 「ものづくり魂」と聞いて何を考えるかは、その人がこれまで何をしてきたかに大きく左右されます。そのため、記事ではその人自身の来歴の紹介が増えてしまいがち。特集記事では来歴の情報をなるべく最小限にとどめて、その人の考え方を前面に出すよう試みました。 (木崎)

おすすめの1冊:トヨタ生産方式を共有する

マンガでわかるトヨタ流の生産方式とマネジメント
マンガでわかるトヨタ流の生産方式とマネジメント
監修●高木徹
漫画●梅屋敷ミタ
発行●マイナビ出版
定価●1330円+税
判版●四六判 192ページ
ISBN 978-4-8399-6005-6

 「トヨタ生産方式」とは一体何か。本書は、架空の企業を舞台とした漫画をベースに、ストーリーの合間にトヨタ生産方式の基礎的な単語や考え方を文章で解説する同方式の入門書だ。

 ストーリーは、商品企画部に所属する主人公が組織運営で直面した課題をトヨタ生産方式に基づいて解決するというもの。読者はストーリーを追いながら「ジャスト・イン・タイム」や「自働化」など、同方式による改善活動の取っ掛かりとなる知識の理解を深めることができる。

 ところで、現場を改善していくにはコミュニケーションが何より重要となる。トヨタ生産方式を実践する上でも、それは変わらない。自分だけが知っている専門用語や知識を新しく入ってきた相手に押し付けても活動は進まない。そればかりか、協力していくべき仲間との間に溝が生まれてしまう。

 2017年も4月に入り、新入社員の入社や異動に伴って、初めてものづくりの現場に触れるという人もいるはず。同僚や部下とともに本書を利用すれば、改善活動を行う上で必要な知識基盤を手早く築けるだろう。より良い現場をつくっていくための有用な一冊になるはずだ。 (野々村)