2014年5月29日、姫路港南方沖で停泊して整備作業中だった油タンカー「聖幸丸」において、貨物油タンクが爆発して炎上するという事故が発生した。船長が死亡し、乗組員4人が熱傷などの重傷を負うという大事故だった。荷揚げ後に可燃性ガスを十分に排出しないまま、着火の危険性が高いバーナー作業を行っていた。

 事故の発生を受けて、運輸安全委員会は2014年5月29日から現場調査や後述聴取などの調査を実施。2015年11月26日に事故調査報告書を公表した1)。以下、同報告書に基づいて事故原因と再発防止策についてみてみよう。