欧州メーカーを中心にプラグインハイブリッド車(PHEV)の市場投入が加速している。2016~2020年に向け新たなPHEVを計画するメーカーも多々あり、先行したトヨタ自動車や三菱自動車など日本メーカーを車種数で上回る。欧州勢がPHEVに力を入れる理由は何なのか、欧州勢のPHEVはどんなものなのか――背景とクルマの概要を紹介する。

写真提供:Volkswagen社、BMW社、Daimler社
写真提供:Volkswagen社、BMW社、Daimler社

 国内月販目標1000台。その倍近いペースで売れているのが、三菱自動車が2015年7月に発売したSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)タイプの新型プラグインハイブリッド車(PHEV)「アウトランダーPHEV」だ〔図1(a)〕。価格は359万6400円(税込み)からと一般的なクルマと比べて安くはないが、2015年7~9月の日本での販売台数は「約5500台」(同社)と好調だ。実はこの新型アウトランダーPHEVは、同社が2013年1月に発売したモデルを大幅改良したもの。わずか2年半での大幅改良は異例のこと。同社がSUVタイプのPHEVに力を入れていることを物語っている。

図1 近年に日本市場に投入された主なPHEV
図1 近年に日本市場に投入された主なPHEV
(a)「アウトランダーPHEV」(三菱自動車)、(b)「カイエン S E-ハイブリッド」(Porsche社)、(c)「S 550 e ロング」(Daimler社)、(d)「ゴルフ GTE」(VW社)、(e)「X5 xDrive40e」(BMW社)、(f)「A3 Sportback e-tron」(Audi社)。
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