インドネシアでSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)が販売台数を伸ばしている。中型車両はMPV(多目的乗用車)市場を攻略して急成長。大型車両ではリアサスペンションの改良が進む。小型車両は将来、FF(前部エンジン・前輪駆動)車への転換が進みそうだ。

写真提供:Toyota Motor Thailand社
写真提供:Toyota Motor Thailand社

 右肩上がりの成長を続けてきたインドネシアの自動車市場が変調を来している。インドネシア自動車製造業者協会(Gaikindo)によると、2014年の新車販売台数は120万8028台だった。タイを抜いてASEAN(東南アジア諸国連合)で最大の市場になったが、販売台数は前年に比べて1.8%減少した。前年実績を割り込んだのは、リーマンショックの影響で約20%の大幅減少となった2009年以来5年振りである(図1)。

図1 インドネシアにおける新車販売台数の推移
図1 インドネシアにおける新車販売台数の推移
(a)2010年から2桁成長を続けたが、2014年から減少に転じた。(b)トヨタ自動車・ダイハツ工業グループが50%弱のシェアを握る。出典:インドネシア自動車製造業者協会(GAIKINDO)、マークラインズ
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