増税の影響は想定以上だった

ダイハツ工業社長の三井正則氏
ダイハツ工業社長の三井正則氏

 「4月からの軽自動車税の基準見直しの影響は、我々が思っていたよりも大きいと思っている」。ダイハツ工業社長の三井正則氏は、2015年9月9日に開催した新型軽自動車「キャスト」の発表会でこう語った。

 同社取締役で営業本部長を務める堀井仁氏によると、2015年度の国内軽自動車販売台数は「190万台程度」になる見通しである。軽自動車市場は、軽自動車税が2015年度購入分からこれまでの1.5倍に増税されたことで、減速感が強まっている。軽自動車の国内販売は2015年8月まで8カ月連続で前年実績を下回った。

 こうした状況の中で、ダイハツの軽自動車の2015年4~8月における累計販売台数は前年同期比約15%減だった。2015年度では、前期比8%減の63万台を計画している。

 三井氏は市場の推移に関して「これ以上下がることはないと思う」と見立てる。今回のキャスト投入により、年間の「販売目標を達成したい」(同氏)と意気込む。堀井氏は今後の動向について「他社も含めた新型車の投入効果などで、徐々に回復していくのではないか。少し手応えをつかんでいる」と語った。逆風を乗り越えられるか、軽自動車市場は正念場を迎えている。