トヨタ自動車がものづくりの全面的な革新を加速させている。研究開発、設計、生産、組織、人材育成まで、クルマ造りのあらゆる領域をつくり変えようとしている。背景にあるのは、社長である豊田章男氏の強い危機感だ。電気自動車(EV)ではベンチャーが台頭し、新興国メーカーも勢いを増している。今は世界首位でも、チャレンジを続けないと未来はないとトップは考えている。トヨタ自動車が挑む、ものづくりの変革に迫った。
トヨタ、止まらない進化
目次
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4ステップで進めるIoT化、品質と生産性、人づくりで効果
愛知県豊田市の高岡工場は2016年の1年間、トヨタ自動車における工場IoT化の実証試験を進める場となった。その方針は独特だ。トヨタ生産方式(TPS)との融合を図り、「IoTは道具。モノや情報を受け取るのは人」(トヨタ自動車工程改善部長の大倉守彦氏)との考えに基づき、IoT活用の最終目的を人材育成に置…日経ものづくり
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危機感が駆り立てる「ものづくり革新」、研究開発、設計、生産、全てを変える
「本当は我々がチャレンジャーのはずなのに、業界最大手のトヨタさんが一番熱心に会社を変革しようとしている。ここまでやるのかと驚くことばかりだ」。こう話すのはトヨタ自動車と競合する、ある日本の自動車メーカーの幹部だ。日経ものづくり
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“改善魂”をつなげれば改革になる
トヨタ自動車社長 豊田章男氏に聞く
ものづくりの全面的な改革を加速するトヨタ自動車社長の豊田章男氏。めったにメディアの個別インタビューに対応しない同氏が、本誌の独占取材に応じた。注目を集める「カンパニー制の導入」「TNGA(Toyota New Global Architecture)戦略」「電気自動車(EV)開発の加速」に加えて、「…日経ものづくり
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機械を進化させるのは人、難題を解決してこそ身に付く技能
「どんなに自動化が進んでも、それを進化させるのは高い技能を持った人だ」。そう語るのは、トヨタ自動車工場統括の河合満氏だ(図1)。同氏は50年余りに渡ってトヨタ自動車の生産現場に携わってきた。2015年4月には技能職出身者として同社初の専務役員に就任。その背景には、いま一度トヨタ自動車の生産現場を強…日経ものづくり
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用意する素材の質を徹底追求、設計と生産の両面で効率化
トヨタ自動車が2016年12月14日に発売したSUVの「C-HR」(図1)。2015年12月に発売された4代目「プリウス」に続く、TNGA(Toyota New Global Architecture)の第2弾としても注目を集めた。日経ものづくり
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AIの精鋭集団と自動運転車を開発、「守護天使」「お抱え運転手」実現へ
人工知能(AI)のスター研究者を集めて、どんな状況でも決して事故を起こさない究極のクルマを開発する─。日経ものづくり
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燃費と動力性能の向上の2兎を追う、異例の社内ベンチャーでEVにも本腰
日経ものづくり
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高まり続ける圧倒的な競争力、AIやEVの研究にも注目
調査テーマ「トヨタ自動車のものづくり」
トヨタ自動車のものづくりは、世界的に見ても高い競争力を持つ。それは、長年培ってきた設計・生産の進め方やそれを実行する人材の力に他ならない。しかも、その競争力は今なお高まっているというのが大方の評価だ。ただし、弱みが全くないわけではない。競争力をさらに高めるため、人工知能(AI)や電気自動車(EV)の…日経ものづくり
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製造現場から飛び出す「自工程完結」、設計などホワイトカラーの生産性向上
日経ものづくり