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HOME有料会員向けトップ > インターネットの仮想空間と現実空間を融合する

日経エレクトロニクス 2016年11月号

IoTの原点、センサーネットワークの本質

インターネットの仮想空間と現実空間を融合する

(第1回)

  • 猿渡 俊介=大阪大学 大学院情報科学研究科 准教授
  • 2016/10/19 00:00
  • 1/5ページ

出典:日経エレクトロニクス、2016年11月号、pp.114-118(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

IT(情報技術)の進化によって、コンピューターやインターネットの世界と現実空間は融合していく。コンピューターの中に閉じていた世界が、我々が生活する物理空間に染みだしてくる。その基盤となるのが「センサーネットワーク」だ。今後の製品やサービスの開発にはセンサーネットワークの理解が欠かせない。その基本思想と技術を6回にわたり解説する。(本誌)

 センサーネットワークは、現実空間に無数に配置されたセンサーから情報を取り込んで活用するシステムである。その目的は、現実空間のあらゆることをプログラマブルにしてコントロールすることだ。

 この考え方の典型が、21世紀初めに米Universityof California, Berkeleyの研究者が提案した「Smart Dust」に見られる。空中に無数に浮遊するホコリのようなデバイスの一つひとつがセンサーノードであり、現実空間のさまざまな情報を捉えて多様な入力をもたらすという概念である。

 このような技術はまだ実現していないが、小型センサーを用いて空間の情報を捉える技術的研究から、新たなセンサーネットワーク構築における課題が見えてきた。ハードリアルタイム性注1)、消費電力注2)、膨大なデータ量注3)などである。いずれもITの高度化の課題と同じ方向性のテーマである。

注1)ネットワークが高度化・複雑化することにより、センサーからの情報の同時性が低下する問題。時刻同期プロトコルによる同時性の向上などの対策を講じなくてはならない。
注2)センサーの駆動および通信に必要な電力の問題。特に消費電力が大きくなりがちな無線通信において顕在化する。
注3)センサーネットワークが高度化するほど、高速処理が求められる。要求に応えるためには、処理だけでなく、データベース高速化などの課題に対応する必要がある。

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