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日経ものづくり 2017年1月号

日本発 スマートものづくり第16回

科学技術研究の応用強化に動く英国

  • 津田 憂子=科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー
  • 2017/01/05 00:00
  • 1/6ページ

出典:日経ものづくり、2017年1月号、pp.134-139(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

NAVIGATOR'S EYE
今回の筆者は、英国の科学技術・イノベーション政策に関する最新動向の調査や分析を実施されている、科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)の津田憂子氏です。英国における製造業回帰に向けた動きについてご紹介いただきます。

 現在の英国では、製造業がGDP(国内総生産)に占める割合は9%程度である。日本が19%、ドイツが22%、米国が12%、フランスが11%程度であるのに比べると、英国は先進諸国の中では国全体の経済における製造業の割合が小さい*1

*1 英国は18世紀後半に始まった産業革命発祥の地である。19世紀後半の第2次産業革命時代から始まる英国の衰退については諸説あるが、技術教育の遅れがその1つとして挙げられる。当時、英国の政治や経済を牛耳っていた貴族や地主、金融資本家などの「ジェントルマン」は、製造業のような産業に手を染めることは恥ずべきことと信じていた。Oxford大学やCambridge大学のような有名大学は、科学者を多く輩出したとはいえ、元来、両大学の教育の目的は聖職者の育成にあった。

 諸外国の産業技術力の強さを示す指標として、ハイテク産業の輸出額占有率の動向を見ると、直近の2014年で英国は全体の4%弱を占めるにすぎず、中国(20.8%)、米国(12.7%)、ドイツ(9.1%)に大きく引き離されている(図1)。産業革命発祥の地である英国において、製造業の比率が小さいことは物足りないように感じられる。

図1 主要国におけるハイテク産業の輸出額占有率の動向
世界市場における英国の輸出額占有率は縮小傾向にある。出所:文部科学省
[画像のクリックで拡大表示]

 しかし、医薬品産業のように、競争力を維持している分野や、回復しつつある分野もある。英国政府は強い製造業の復活を模索し始め、さまざまな支援に乗り出している。高い付加価値を得られる製造業を目指して、大型資金を投入した研究開発プロジェクトが進められている。

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