大阪に本社を構えるザクティは、三洋電機のデジタルカメラ事業部が親会社から独立した後、2013年に新会社として再出発した企業である。同事業部が強みとしていたデジタルカメラの受託製造事業を引き継ぎつつ、幅広い用途に向けてモジュールや半導体などの中核部品を提供する企業として生まれ変わりつつある。
経営不振からパナソニックに買収されてブランドが消滅した三洋電機。同社が2009年にパナソニックの子会社になった後、同社のデジタルカメラ事業部は2012年に分社化された。そして、2013年に、投資会社のアドバンテッジパートナーズ(以下、AP社)を主要株主とする新会社ザクティに生まれ変わった。その社名は、三洋電機のデジタルカメラ製品の自社ブランド「Xacti(ザクティ)」に由来する(図1)。
ブランドだけでなく、主要事業も引き継いだ。ザクティは、現在ODM/OEM事業を主力にしており、とりわけ三洋電機時代から続くデジタルカメラの受託製造に強みを持つ(図2)。現在年間の売上高は「300億~400億円で黒字」(同社 代表取締役会長 兼 CEOの伊佐治岳生氏)である。300名以上の開発技術者を抱え、製造拠点であるインドネシアには2500名以上の従業員がいる。同拠点の生産能力は、月産100万台超とする。三洋電機時代から累計で1億台超のデジタルカメラの製造・出荷台数を誇る。デジタルカメラのブランドメーカーの80%以上と取引実績があるという。