VW社が「ダウンサイジング」の次の一手に選んだ過給ミラーサイクルエンジン。電動VTGターボや高圧直噴など、大衆車用エンジンと思えぬ贅沢な技術を採用する。「ライトサイジング」と呼ばれるこの技術方針を、世界のメーカーが追従する公算が強い。“次の次”を見据えた提案も始まる。可変圧縮比と水噴射でさらなる高圧縮比化を狙う。

 ドイツVolkswagen(VW)社が、2016年第4四半期に大衆車用に量産する排気量1.5Lの直列4気筒直噴ターボガソリンエンジン「EA211 TSI evo」。現行の「同TSI」から排気量を増やし、圧縮比を高めたミラーサイクルエンジンだ。

 VW社は量産後、TSI evoの採用車種を大幅に拡大していく。熱効率を高めるのに力を注いで高価な部品を採用した分、量産規模を増やしてコストを下げ、帳尻を合わせる。

 現行TSIには3気筒の1.0L、4気筒の1.2Lおよび1.4Lの3種類がある。そのうち1.0Lは残し、4気筒品は1.5LのTSI evoに置き換えていく計画だ。併せて、安価なポート噴射仕様のガソリンエンジン「MPI」の品種を減らす。現行のMPIには排気量が1.0L、1.4L、1.5L、1.6Lの4種類あるが、今後は1.0Lと1.5Lの2種類にする。