産業機器のIoT(Internet of Things)化を加速する米General Electric社(以下、GE社)が企業風土と人事評価の仕組みを大きく変革させようとしている。

 ハードウエアとソフトウエアを組み合わせて新しいビジネスモデルを創造するには、失敗を恐れずにこれまでにないことに挑戦する人材が欠かせないからだ。「IT(情報技術)スタートアップの文化に学び、巨大な組織をシンプルにして、スピーディーでリスクを取るチャレンジ精神を取り入れようとしている」。GEジャパンの人事部長、谷本美穂氏はこう強調する。

シリコンバレー流の手法を導入

 実際、GE社は業務の進め方を変革するために「FastWorks(ファストワークス)」という経営手法の導入を全社的に進めている(図1)。

図1 ファストワークスの研修の様子
図1 ファストワークスの研修の様子
シリコンバレー流の手法を社員が学び、業務において実践する方法を考える。
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 製品開発では、顧客の悩みを聞いて必要最小限の機能を満たした試作品を短期間で製作。それを顧客に見せて使ってもらい、さまざまな意見を聞いて改良を重ねながら製品化する。こうした手法で開発スピードを高める。