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日経Automotive 2017年9月号

メカニズム詳解

非対称にして過圧縮を減らす

第8回:エアコン用コンプレッサー

  • 浜田基彦=契約記者
  • 2017/08/10 00:00
  • 1/4ページ

出典:日経Automotive、2017年9月号、pp.78-80(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

カルソニックカンセイは圧縮室を2室から1室に減らした空調用のロータリー式コンプレッサーを開発した(図1)。高回転での効率を下げる原因である過圧縮を抑える。効率をスクロール式よりも高くできる。高速回転させる頻度の高い電動コンプレッサーに向く。

図1 試作機の断面
圧縮室は一つしかない。
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 空調のために冷媒を圧縮するコンプレッサーは通常、エンジンのクランク軸からベルトを介して駆動する。ところが電気自動車(EV)にはエンジンがないので電動にするしかない。ハイブリッド車(HEV)はエンジンが頻繁に止まるので、できれば電動にしたい。電動化は間違いなく進む。

 エンジンで駆動する場合、エンジンの回転数は走る側の都合で決まる。コンプレッサーはこれに合わせて回るしかない。回転数が低いこともあれば高いこともある。

 電動では、走りに関係なく、空調の都合だけでコンプレッサーの回転数を決められる。高い回転数で回せばコンプレッサーを小さくできるので、エンジン駆動のコンプレッサーより高い回転数で回すことが多い。

 コンプレッサーにはベーンロータリー式(以下ロータリー式)とスクロール式がある中、ロータリー式がシェアを伸ばしている。唯一の弱点が、スクロール式に効率で及ばないことだった(図2)。特に回転数が上がると差が開く。今は構造が簡単でコストが低いため競争力があるが、電動化が進んで使用回転数が上がると、ロータリー式の低い効率が弱点として浮かび上がる可能性がある。

図2 コンプレッサーの回転数と性能(成績係数)の関係
ロータリー式はスクロール式に性能で勝てなかった。それでも構造が簡単でコストが低いので選ばれてきた。
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