NB-IoTの標準化やシステム開発に特に積極的なのが、中国Huawei Technologies社だ。スペイン・バルセロナで開催された展示会や、中国・上海などで、実証実験を繰り返している。無線送受信を担う半導体やモジュール開発のスケジュールも明らかにするなど、市場の先導役としての役割を果たしつつある。

 「このイベント中で、多数の顧客との商談が進んだ」。通信システム大手である中国Huawei Technologies社の担当者はそう語った。Huawei社はNB-IoTの原案を提案した1社であり、現在の仕様の強力な推進企業である。同社が2015年11月、香港において主催した移動通信イベント「Global Mobile Broadband Forum 2015」では、NB-IoT関連の話題も数多く扱い、顧客企業との商用化に向けたミーティングも行ったという。第2部では、NB-IoTのシステム開発に積極的なHuawei社の取り組みを見ながら、最新動向を紹介する。

ペットや自転車、トランクの管理に

 Huawei社は、2015年3月にスペイン・バルセロナで開催された移動通信業界の大型イベント「MWC(Mobile World Congress)」で、NB-IoTのプレ仕様に基づくスマートメーターを公開済みだ注1)。また2015年6月には中国China Unicom社と共同で、中国・上海で駐車場の空き状況をセンシングできる「スマートパーキングシステム」の実証実験を行っている。

注1)Huawei社は、NB-IoTの3GPPにおける仕様策定が終了していないことから、現行の試作システムなどに使っている方式を「プレNB-IoT」と呼んでいる。