印刷でセンサーを大量生産する挑戦が相次いでいる。無線回路までロールツーロールで量産する意欲的な技術、実用化を優先して量産のハードルを下げる取り組み、低価格なシステム構成を実現する提案、既存の需要に応えて実績を作り将来の市場開拓につなげようとする事例を紹介する。

 毎年1兆個規模のセンサーを活用する時代に向けたセンサー製造技術の新たな提案が登場した。印刷技術を使って従来のSi半導体プロセスよりも格段に製造コストを抑える狙いがある(「IoTの進化を阻む“利害衝突”、格安大量センサーをどう作る」の図1参照)。

旭化成の印刷プロセス
2017年にも量産適用へ

 旭化成は、センサーや周辺回路を安価に量産できる印刷プロセスの製造技術を開発している。2015年12月に開催された「TSensors Summit 2015」(12月9~10日、米国キシミー)で明らかにした。技術的には初期量産可能なレベルにあり、2017年にも今回の製造技術による最初の製品が市場に登場するという。