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HOME有料会員向けトップ > 自動化の実験場にしてショールーム、市場見極め絶えず進化

日経ものづくり 2017年7月号

もっと「強い工場」第2部 事例

自動化の実験場にしてショールーム、市場見極め絶えず進化

【生産性】【柔軟性】安川電機 モーションコントロール工場

  • 吉田 勝、近岡 裕、中山 力、木崎健太郎、桃田健史=ジャーナリスト
  • 2017/06/30 00:01
  • 1/4ページ

出典:日経ものづくり、2017年7月号、pp.40-43(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 安川電機の中核製品の1つであるサーボモーターとその制御機器であるサーボアンプ。生産設備などの駆動部に使われるそれら製品の生産のマザー工場として、生産性向上と変種変量生産を追求し続けているのが、同社入間事業所のモーションコントロール工場(埼玉県入間市、以下MC工場)だ(図1)。

図1 安川電機入間事業所
モーションコントロール工場で主力製品のサーボアンプ・サーボモーターを生産している。
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 年間1000人以上が見学に訪れるという同工場が目指すのは、単なる高効率・高品質の自動化生産設備ではない。「ものづくりを革新していくのが同工場の役割。一旦自動化したら終わりではなく、問題点を洗い出して常に次の設備に反映させている。改良の場合もあれば、全く違う仕様の構成になる場合もある」(同社執行役員モーションコントロール事業部長の熊谷彰氏)。

 同工場のサーボモーターや産業用ロボットなど自社製品を駆使した生産性向上の取り組みは、そのまま顧客へのソリューション提案の場となっている。従って、同じ製品を造る設備でも新設ラインは既存ラインとは全く異なる設計思想の設備となる場合もある。常に新しい提案につなげるべく、生産ラインを絶えず進化させているのだ。

「アプリ型」ラインで柔軟性高める

 例えば、主力製品の「Σ-7」シリーズのサーボアンプを造る生産ライン(図2)*1。同ラインの工程は、大まかに言うとヒートシンクにグリスを塗布して電源基板を組み付けた後、抵抗やファンなどの部品を取り付け、最後に制御基板とケース、蓋(パネル)を組み付けるという流れとなる*2。2016年3月に稼働開始した最新の自動化ライン(2号機)を見てみよう。

*1 モーションコントロール工場は、大きくサーボアンプの生産ラインとサーボモーターの生産ラインから成る。

*2 制御基板、電源基板は外部から調達している。

図2 主力製品のΣ-7シリーズ
写真奥の白いボックスがサーボアンプ、手前がサーボモーター。大きさや出力に応じて多数のモデルを取りそろえている。
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 同ラインには似たような外観の製造モジュールが3台並んでいる(図3)。この幅3mほどのラインで、電源基板の組み付けからパネルの組み付けまでを自動でこなす。製造モジュール間のワークの搬送はロボットが行うので、作業者が行うのは部品台車からの部材供給と最後のワークの引き取りだけだ。

図3 サーボアンプの自動化ライン2号機
似たような外観の製造モジュールが3台並んでいるのが分かる。基本構成は同じモジュールだが、制御プログラムを変えることでそれぞれ別の工程を担わせている。組み立ては自動化されており、作業者はワークや部材を投入するだけよい。
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 最大の特徴は、3台の製造モジュールがいずれも基本的に同じベースモジュールとロボットで構成されていること。制御プログラムを変更することで、汎用性のある製造モジュールに異なる作業をさせられるようになっているのだ。同社はこれを「アプリ型」と呼ぶ。

 「アプリ(制御プログラム)さえ入れ換えれば、工程の順番が変わったり、工程が増えたりしてもフレキシブルに対応できる」(同社モーションコントロール事業部モーションコントロール工場生産技術部生産技術開発課課長の坂巻憲一氏)という。

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