――蓄積したデータは、具体的にはどのように活用するのですか。

 現在までに蓄積したデータは100万件を超えています。この10年間は、企業や大学、研究機関などの研究開発やマーケティング支援のために提供してきました。

 私たちの蓄積しているデータは、年齢や性別のほかに不眠症や花粉症の有無などのカテゴリーに分類することができます。例えば、花粉症に関する製品に関して企業が調査を行いたい場合、蓄積データから花粉症を患う顧客を割り出し、サンプル製品を提供します。製品の感想を教えてもらえれば、その日の施術代は半額にするなどのオプションを付けることで得られた感想を、個人が特定できないように加工して企業にフィードバックするといった具合です。

 最近では、筑波大学の睡眠研究を支援することを2017年3月に発表しました。この研究では2000人の不眠症患者のデータが必要でした。通常、それだけの人数を確保することは容易ではありません。

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 しかし、弊社のリラクゼーションスタジオには毎月およそ1万8000人の不眠症患者が来店します。顧客にとっては、研究に参加することが症状の改善につながるかもしれないという期待から参加する意欲につながります。こうして研究に前向きな被検者を集めることができるのです。