――米国、欧州に続く3番目のリージョンとして、日本市場でFileMaker Cloudがリリースされました。日本市場への期待は?
Epling氏 FileMaker Cloudを日本市場でローンチできたことは、とても嬉しく思っています。FileMakerは独自性を持ったプラットフォームであり、オンプレミスでもクラウド環境でも使えるサービスです。これまでオンプレミス環境での日本市場は、我々の中でも大きな市場に成長してきました。FileMaker Cloudについても、日本で大きな成功を収めるものと思っています。
特に医療分野は、ファイルメーカー・ジャパンにとって非常に重要な産業分野の1つになっています。(クラウド上で医療情報を扱うことのハードルの高さは認識していますが)この分野でクラウドが使われていくことをとても期待しています。
――医療系ユーザーに対して、FileMaker Cloudはどのようなベネフィットをもたらすのでしょうか。
Vaghela氏 医療情報を扱うユーザーにとって、まず、通信やシステムにおけるセキュリティーは非常に重要なファクターです。FileMaker Cloudの暗号化通信では業界標準のSSL/TLSレベルの暗号化をサポートしています。SSL証明書については90日間の無償評価サービスが付属し、継続更新も容易です。証明書管理を自動化することができます。また、AWSが元々標準で有している多要素認証による認証管理や攻撃に対する防御策など、医療系ユーザーのセキュリティー要求に応えることができます。
第2は、容易かつスピーディーなセットアップです。セットアップ作業はシンプルな操作で、開始から20分程度でFileMaker Cloud環境を構築することができます。
第3は、セキュリティー上のバージョンアップやパッチを当てるといった作業も簡単にできる点です。専任管理者が不在でも、ボタン1つで容易にアップデートすることが可能です。
これら3つのベネフィットに加え、スケーラビリティーとWAN(Wide Area Network)のパフォーマンスにおけるメリットを挙げることができます。スケーラビリティーはクラウドサービスの大きな利点であり、AWSのFileMaker Cloudでは必要に応じてサーバーリソースを迅速に増強することが可能です。
また、オンプレミスの場合、外部から院内のFileMakerシステムへのアクセスに関して制限があります。FileMaker CloudではAWSのインフラを利用できるので、多くのユーザーの同時アクセスにもパフォーマンスの品質が保たれ、医療系ユーザーの求めるレスポンスに応えることが可能です。