――そうした新たなビジョンのもと、実際に着手しているプロジェクトはありますか。
詳細はまだ言えませんが、あるコミュニティーと組んだプロジェクトが進行中です。一言で言えばまちづくり、まさに日経デジタルヘルスが提唱している「ソーシャルホスピタル」のイメージです。我々にとってソーシャルホスピタルは目指すところでもあります。この他にも取り組んでいるプロジェクトは多数あり、2017年中にはいくつか発表できる予定です。
繰り返しになりますが、日本はこうした先進的な取り組みが世界に先駆けてできるマーケットであり、なおかつやらなくてはならない国でもあるのです。
それに向けて、プレーヤー同士をつなげるだけなら他の企業もできるでしょう。しかし、すべてを俯瞰できるプレーヤーは限られています。その点、我々は幅広い視点を持っています。画像診断医や看護師などが使う機器やアプリを提供しながら、一方では電動歯ブラシなどで生活習慣をフォローする。やがては、ショッピングやマイナンバーに関連したアプリやサービスも入るかもしれない――それだけの展開を考えているのです。
――壮大なプランですね。
今後は皆さんが驚く企業になると思いますよ。私の感覚としては、“びっくり箱”を作っているようなもの。「あれ、フィリップスってこんなことやっていたっけ?」と思ってもらえれば、しめたものです。
しかしその驚きがいずれは日常化して、皆さんの利益に必ずつながるはずです。そうしたソリューションを我々は事業化し、社会に貢献しながら取り組んでいくのがミッションだと考えています。誰か特定の人だけにメリットがあるソリューションでは意味がありません。それでは長続きしませんから。