2016年4月に解禁となった「電子処方箋」(関連記事)。医療制度面からも大きな変革といえる処方箋の電子化は一見、唐突に制度変更が発表されたようにも思える。

 しかし、実際には長年にわたって医療情報ネットワーク基盤のあるべき姿を検討してきた背景がある。その中で、技術や制度運用面の環境が整ってきたから今だからこそ、解禁に至ったものだという。

 この検討の主導役を担ってきたのが、2003年6月に厚生労働省が設置した「医療情報ネットワーク基盤検討会」だ。これまで29回開催された検討会の中で、最も多くの議論が重ねられたテーマの1つが処方箋の電子化である。検討会設置以来、13年にわたって座長を務めてきた東京工業大学 像情報工学研究所 教授の大山永昭氏に検討の経緯や課題などを聞いた。

(聞き手は増田 克善=日経デジタルヘルス)

大山氏(写真:皆木優子)
大山氏(写真:皆木優子)
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