――メディカルイラストレーターという職業との接点は、どこから生まれたのですか。

 カーデザイナーの父の影響もあってか、小さい頃からとにかく絵を描くことが大好きでした。それから、動物が好きだった。犬や猫を飼っていて、身近な存在だったんです。

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 医学の世界にも、幼い時分から親しみを感じていました。母が薬剤師で、祖父は薬学分野の研究者。兄は、消化器外科医になりました。

 幼いころ、祖父のところに行くと、海外の医学書とか薬学の専門誌が置いてあるんです。美しい写真やイラストが豊富で、子供心にそれがすごく綺麗で。そういうのを眺めているのが好きでした。

 もう少し大きくなって、自分がどんな仕事に就きたいかを考えた時に、「絵を描くこと」と「動物や医学」の両方に魅力を感じたんです。でも、その両方にまたがる仕事はその時には見つからなかった。メディカルイラストレーターなんて道があることは、全然知らなかったんです。

 大学は獣医学科を選びました。動物がすごく好きだったので、興味を持てるだろうと。西宮の実家を離れて、北海道の私大に通いました。