1滴の尿を使ってがんを早期に検出する。「線虫」と呼ばれる生物を使った新しいがん検査法「N-NOSE」の実用化を目指しているHIROTSUバイオサイエンスが、エイベックスと手を組んだ――(関連記事12)。

 そんなニュースが発表されたのは、2018年6月のことだった。一見畑違いの2社が、合同会社 AVEX&HIROTSU BIO EMPOWERを立ち上げた。

 エイベックスといえば、言わずと知れた大手エンターテインメント企業である。現に、AVEX&HIROTSU BIO EMPOWER 代表を務める保屋松靖人氏は、20年来TRFやAAAなどのアーティストのマネジメントに携わってきた。

 音楽活動やテレビ出演、書籍の執筆などを通じて、アーティストの価値を最大限にする仕事をしてきた保屋松氏が、なぜ“線虫でがん診断”に目を付けたのか。同氏に聞いた。

AVEX&HIROTSU BIO EMPOWER 代表の保屋松靖人氏(写真:皆木優子)
AVEX&HIROTSU BIO EMPOWER 代表の保屋松靖人氏(写真:皆木優子)
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