九州には離島が多く、沖縄を除いた離島の発電設備容量の6割以上を九州電力が担っている。離島は、電力需要の密度が低く、島ごとに小規模な発電設備が必要になる。重油を使ったディーゼルエンジン発電機が主要な電源で、輸送コストのかかる割高な燃料を使わざるを得ない。九電管内では、離島の発電コストは本土の約2倍となっている。

 再生可能エネルギーは、ディーゼル発電の重油使用量を削減できるだけに、離島にとって、本土以上に価値が高い。これまで風力を導入する例はあったが、固定価格買取制度(FIT)の後押しもあり、太陽光発電の設置も増えている(図1)。とはいえ、系統(電力網)規模が小さいだけに、天候変化による再エネの出力変動は電力の品質に大きな影響を与える。

図1●九電管内・9離島の接続可能量と接続状況(出所:九州電力)
図1●九電管内・9離島の接続可能量と接続状況(出所:九州電力)
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