4種類の電池を比較検討

 その結果、「直流配電システムのニーズはデータセンターなど一部に限られ、ビルや家庭などに応用するのはまだ難しい。本格的に取り組むのは時期尚早。一方で、蓄電池システムは、BCP意識の高まり、太陽光の普及で需要が顕在化する可能性が高い」との結論となった。

 そこで、蓄電池システムに関しては、現在、製品化されている主な4種類の定置型蓄電池――鉛電池、Liイオン電池、レドックスフロー電池、そしてNAS電池ーーについて、その将来性や市場性について、比較、検討した。これについては蓄電池メーカーも独自の比較評価を公表している(図2)。その結果、「低コストや省スペースの面でNAS電池が優位性を持ち有望」との結論に達した。

図2●定置型蓄電池の性能比較(出所:日本ガイシ)
図2●定置型蓄電池の性能比較(出所:日本ガイシ)
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 そうして、「せっかく、ここまでデータ収集やヒアリングして検討したのだから、机上の知識に終わらせず、実際にNAS電池を導入してデータをとり、良い面、悪い面を含めて知見を高めておき、今後の蓄電池システムの事業に生かそうとの方向性になった」と、きんでん・技術企画室の岡部俊正・大阪技術企画部次長は打ち明ける。