「物上代位権」を行使して代金回収できないか?

 最近、太陽光関連施工者(建設会社)の倒産にからみ、次のような法律相談を受けました。

 「当社は太陽光発電パネルを販売する建材商社です。当社が納めた太陽光パネルを利用して太陽光発電所を建設中の建設会社が事業停止してしまいました。現在は、基礎部分と当社が納めた太陽光パネルが施工されていますが、工事は完成しておらず、中断しています。注文者の建設会社に対する請負代金支払いは未了のようですが、当社は建設会社の発注者に対する請負代金債権について物上代位権を行使して太陽光パネル販売代金を回収することはできないのでしょうか?」

 まず、結論から述べますと、売買目的物が請負の仕事に供された場合には、原則として物上代位権を行使することはできません。

 もっとも、「請負代金債権が太陽光パネルの転売による代金債権と同視しうる特段の事情がある」といえる場合には、物上代位権を行使できます。

 次ページからもう少し詳しく解説します。

建設中の太陽光発電所の現場
建設中の太陽光発電所の現場
(出所:日経BP、写真はイメージで本文とは関係ありません)
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